防犯カメラを設置しても、設置場所を誤ると期待される効果を十分に得られない可能性があります。そこで今回は、効果的に防犯対策を行うためにおすすめしたい設置場所を3つご紹介いたします。
目次
１．玄関まわり
最も基本的かつ重要な設置場所が玄関です。玄関の鍵は一見頑丈に見えても、構造に詳しい人物や鍵業者の経験がある者にとっては、開錠が容易なケースもあります。そのため、防犯カメラを玄関付近、特に地上から2.5～3.0メートル程度の手の届かない位置に、はっきりと見える形で設置するのが効果的です。
カメラの設置により、証拠映像の記録だけでなく、不審者への強い抑止力にもなります。特に注意すべき点は、「侵入者がしっかり映るように設置する」こと。カメラを目立たない角度に設置すると、不審者がフレームを一瞬で通過してしまい、顔などの重要な情報を捉えられないことがあります。
侵入を未然に防ぐためにも、防犯カメラは「撮影する」だけでなく、「威圧感を与える」ことが重要です。
２．ベランダ・勝手口など裏口付近
裏口や勝手口、ベランダは、玄関よりも施錠が簡易で、人目に付きにくいため、不審者の侵入経路として狙われやすい場所です。こうした場所に防犯カメラを設置することで、セキュリティ意識の高さをアピールでき、犯行の抑止につながります。
ただし、設置する位置には注意が必要です。あまりにも高い位置に設置すると、キャップやフードを被った不審者の顔が映らない可能性があります。カメラがいたずらされないような高さを保ちつつ、できるだけ顔を捉えられる角度を意識して設置しましょう。
３．屋内の通行必須箇所
万全な対策を講じていても、屋外で侵入を完全に防ぎきることは難しいのが現実です。そのため、室内にも防犯カメラを設置することで、防犯効果を一層高めることが可能です。
理想は全室に設置することですが、予算などの制約がある場合には、侵入者が貴重品などの目的地へ到達するまでに「必ず通過する場所」にカメラを設置することをおすすめします。
たとえば、金庫や重要書類のある部屋に向かうための廊下や階段、出入り口近くなどがそれに該当します。このような場所を押さえておくことで、不審者の映像を確実に記録するチャンスが高まります。
防犯カメラの設置で効果を高める【マンション編】
マンションの安全性を高めることは、住民の安心につながるだけでなく、入居率や退去率にも影響を与えます。物件の魅力向上にもつながる、防犯カメラの効果的な設置場所を見ていきましょう。
エレベーター内とエレベーターホール
密室となるエレベーターは、防犯上もっともリスクの高い空間のひとつです。防犯カメラを設置することで、入居者同士のトラブルの記録や、万が一の犯罪時の証拠にもなります。
特に操作パネル上に、カメラ映像をリアルタイムで確認できるモニターを設置すれば、心理的な安心感が高まります。なお、エレベーターの設置には「昇降機検査資格者」の立ち会いが必要な場合があるため、専門知識を持つ業者に依頼することが大切です。
補足ポイント
カメラの死角を減らすためには、エレベーターに加えてエレベーターホールにもカメラを設置しましょう。これにより、エレベーターに入る人物の顔を判別しやすくなります。
集合ポストまわり
集合ポストは、郵便物の盗難やいたずらのリスクが高いエリアです。個人情報の詰まった郵便物が盗まれれば、住民のプライバシーが侵害される可能性もあります。
集合ポストは人通りが少なく、外部の目が届きにくい位置にあるため、防犯カメラによる監視が非常に効果的です。
補足ポイント
犯罪抑止効果を高めるためには、「防犯カメラ作動中」などのシールを目立つ位置に貼っておくことも有効です。ポストまで監視されていると認識させることで、不審者への警戒心を高められます。
エントランスホール
マンションの出入口であるエントランスは、外部の人間が最初に立ち入る場所です。宅配業者や清掃員、訪問者なども出入りするため、防犯カメラの設置は必須です。
補足ポイント
出入りする人の顔を正面から捉えるために、少なくとも2台のカメラを設置するのが望ましいでしょう。侵入者はここを必ず通るため、犯罪抑止・証拠収集の両面で非常に有効です。
内部階段
外部階段に比べて、内部階段は防犯対策が軽視されがちですが、実は犯罪の盲点になりやすい場所です。たとえオートロック付きの物件であっても、完全に外部の侵入を防げるわけではありません。
補足ポイント
防犯カメラの映像は、犯人の特定に役立つ重要な証拠です。高画質で鮮明に撮影できる機種を選びましょう。また、可能であれば侵入検知センサーとの併用により、さらなる防犯効果を期待できます。
まとめ
防犯カメラは、単に記録を残すための装置ではなく、不審者の侵入を防ぐ“抑止力”としての役割も非常に大きいものです。限られた予算の中でも、設置場所を工夫することで、高い防犯効果を得ることが可能になります。
今回ご紹介したポイントを参考に、ご自宅や管理物件の安全性向上にお役立てください。
