犯罪を防止するための防犯カメラが、肖像権侵害になり得る可能性があることは知っていますか？特に近年の防犯カメラは、高性能のものが増えているので注意が必要です。ここでは、防犯カメラが肖像権侵害になる可能性と実際に訴えられた事例について解説しています。
目次
防犯カメラは肖像権侵害になる可能性がある
犯罪を防ぐためにさまざまな箇所に設置されている防犯カメラ。近年は性能に優れたものや家庭用のものも増えてきていますが、その一方で“肖像権侵害”になる危険性があると言われています。ここでは肖像権侵害になる理由について解説します。
高性能によるもの
ひと昔前の防犯カメラはそれほど性能も良くなかったため相手の顔を鮮明に識別することは困難でした。そのため基本的に犯罪を防ぐためのものとして使われていましたが、近年の防犯カメラは高性能になっているため必要以上に情報を映してしまいます。たとえば防犯カメラの設置が多いエントランス。外に向けて設置してしまった場合、建物に入ってくる人以外の人物、要するに外を歩いている人まで鮮明に映してしまいます。
防犯のためのカメラが余計なものまで映し個人情報の侵害になる可能性もあるということです。ですから、防犯カメラを設置する際には十分に注意を守る必要があるでしょう。“ただ設置すれば良い”というわけではありません。
市町村ごとのガイドライン
また防犯カメラには、市町村ごとにガイドラインがあります。たとえば札幌市の場合、以下のようなガイドラインが定めだれています。
・設置目的を明確にする。
・目的に沿って必要な範囲撮影する。
・設置場所や撮影範囲を配慮する。
・適切な管理で運営する。
・わかりやすい場所に設置する。
・画像保存は原則1ヶ月以内。
・第三者への提供はしない。
・苦情があった場合は適切に処理する。
・企業ごとに防犯カメラの設置基準を作る。
もちろんすべての地域が同じガイドラインを定めているわけではありません。しかし基本的な内容は同じですので、今後防犯カメラの設置を検討している方は参考にしてみると良いでしょう。
肖像権侵害が訴えられた事例
たかが防犯カメラと安易に考えていると、肖像権侵害で訴えられてしまう恐れがあります。ここでは、実際に訴えられた事例を紹介します。
近隣トラブルによる肖像権侵害
自転車や歩行など些細な騒音が原因で、私道をはさんだ隣同士の片方の住民がテレビカメラを設置したことで「テレビカメラの設置が肖像権侵害になる」とトラブルへ発展しました。さらにそのカメラで撮影した内容をもとにインターネットで隣人を誹謗中傷。これが名誉毀損・侮辱にあたると争いになっています。
今回のケースは“私道をはさんでいる”ことから原告宅の敷地内ではないものの、生活に関わる空間であることと、原告夫婦のプライバシーを侵害するような状態での継続的監視は程度を超えていると判断され、「プライバシーの侵害」として成り立ちました。防犯目的であっても、このように肖像権を侵害する場合は罰金になりますので注意が必要です。
防犯カメラを設置する際の注意点
犯罪を防ぐための防犯カメラでも、設置場所や状況によっては設置した側が犯罪になるケースもありますので注意しなければいけません。ここでは、防犯カメラを設置する際の注意点について解説します。
1.自分の敷地内でも隣人の家が分かる場所に設置しない
2.撮影する目的の場所に向けてカメラを設置する
3.撮影した映像は情報漏洩しないように気をつける
4.プライバシーマスクを使用する
5.映像は6ヶ月以内に削除する
6.市町村のガイドラインに従う
防犯カメラは安易な理由で設置することはできませんし、また設置する際は場所や目的を明確にする必要があるでしょう。
防犯カメラ設置における法律の知識
この記事では、防犯カメラの設置にまつわる法律やトラブル事例、法律違反を引き起こさないためのポイントなどについて解説します。
監視や見守り、防犯対策などを目的に幅広く活用されている防犯カメラ。しかし、場合によっては、設置場所や撮影アングルの観点から、訴訟問題に発展してしまうケースも少なくありません。
この記事で、防犯カメラの設置におけるポイントについてしっかり把握しておきましょう。
設置場所や設置目的を明確化しよう
防犯カメラを設置したからと言って、必ずしも犯罪を防げるわけではありません。場合によっては肖像権侵害になり、他人を傷つけてしまう恐れがあります。設置する際は必ず場所や目的を明確化し、トラブルのないようにしましょう。
防犯カメラ情報センターでは、高機能の防犯カメラを低価格で設置・提案を行っております。
20社以上のメーカーから「防犯設備士」がお客様に合ったカメラを提案いたします。
また、自社施工であるため、エレベーターにも取り付けが可能です。
無料の見積もりをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
